上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

矛盾

 固定電話が鳴る。
 私はそれをとる。1日に何十回も。この三週間ずっと。

 「子どもの命をないがしろにするつもりか」という消費者。
 「うちの会社をつぶす気か。こんなんじゃ生きていけないぞ」という肉屋。
 「収去も買い上げの対象になるんですか?」と保健所。
 あとはマスコミ。

 どれも、心にどしっとくる。
 それだけ、国のやってることは大きいということ。

 高校時代、広河隆一さんとか、森住卓さんとか、鎌中ひとみさんとか、そういう人の本とかをずっと読んでて、内部被曝のおそろしさとか、見えないもの、科学で因果関係を証明できない健康被害に対して国が無責任であったことについて、怒りを覚えていた。
 劣化ウラン弾のせいか、イラクで生まれた奇形の赤ちゃんと、泣き崩れるお母さんの写真のあの光景を、忘れてしまったわけではない。
 あんなお母さんが、福島にいてはいけないって、絶対にあっちゃいけないって思ってる。
 
 この国のご飯が、汚染されてしまうなんて、あっちゃいけないんだ。

 でも、数%の確率で起こりえるかもしれない将来のがんの可能性を防ぐために、数%の規制値超えの牛肉を市場から隔離するために、全国の牛肉の全頭検査なんてできるのか。その数%のために、何億円をかけられるのか。

 ソマリアの飢餓のニュースを横目に見ながら、誰かのお腹を満たすはずの牛肉が灰に変わっていく。

 「原発さえなければと思います」

 お願いだから、こんなことで死なないで。

 日本人が、安心して日本のお肉を食べられるように。食べて病気になんかならないように。
 畜産農家の人が、安心して牛を育てて、流通業者の人が安心してそれを売れるように。

 ただそれだけのことが、ものすごく難しい。
 ただそれだけなのに。

 
 土日もなく、何度か徹夜を過ごした私は、情けないかな胃腸炎になり、おうちでぐったり。

 論理とか理屈とかロジックとか、そんなんで塗り固められた左脳社会に疲れ果て、宮崎駿と養老孟司の対談集「虫眼とアニ眼」で、二人のおじいちゃんに癒やされてます。この本、いい。というか、こういう世界観を作れる一人になりたいと、心の底から思う。

 まだ言葉を生み出せるだけ、私の感性はつぶされてはいない。

 明日からまた戦争が始まる。
 つぶされてなるものか。

 
 
スポンサーサイト

 | ホーム | 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。